『ゴティック・メード』に期待と不安

 ここ何年か、趣味の世界で密かに気をもんでいる事がある。
 大好きなデザイナーであり、漫画家の永野護氏の連載コミック『ファイブスター物語』がストップしていることだ。
 スランプとか病気というわけではなく、自身のデザインと監督での劇場用オリジナルアニメを作っているというから、ファンとしては嬉しい悲鳴と言わざるを得ない状態だろう。

 アニメの完成を待って、その後はまた連載を楽しめばいいーー。
 常識的に考えればその通りなのだが、この企画、大層気をもませた。
 何しろ、企画自体は数年前にスタートしていたのに、公開時期がいっこうに明言されないのだ。
 2011年の冬に公開と聞いてやきもきしていたら何も情報がないまましれっと公式ホームページは2012年春公開にシフトチェンジ。全国的に春が過ぎようとしている季節になっても公式ページの記載は変わらなかったんですな。

 やきもきしていたが、連載停止中のファンを宥めるためか、あるいはリサイクル商法……うげふんうげふん! の『ファイブスター物語 リブート』(コミック掲載にあたって加筆・或いは削減されたファイブスター物語を連載当初の姿で掲載、ついでに未公開のデザイン画や、連載当時の時代を振り返ったコラムもあるよ!)で映画の制作は進行しているらしきこと、そして連載再開を目指してファイブスター物語の新キャラクターのデザイン画や今後の展開などが予告されるようになっていったんですな。

 掲載しているアニメ誌『ニュータイプ』でも、初夏頃キャストの紹介などを開始。今月(2012年9月)発売の号ではやっと11月1日公開ということが明らかになったのです。ぱちぱちぱち。

 ところが、公式ホームページを見ても、どこの劇場で公開するのかいっさい記載がないんだな、これが。
 さすがに11月1日公開でこれはない一切決まっていない事はあり得ないだろう……と言うことで、検索してみるとやっとスポンサーの角川書店のホームページで上映劇場が公表されていた。
 うーん、スタッフに余裕がないのか? 大丈夫だろうか?

 とはいえこれで、連載再開の見通しが立った。
 公開日から逆算するに、映像・音声としては10月下旬に形になっていないといけないだろうから、早ければ11月には執筆を再開できるであろう。
 早ければ12月にはニュータイプの誌面で久しぶりの連載が楽しめるのではないか。
 ……しかし本当に?

 下手に公開館が少ない映画だし、視聴するのはコアなファンばかりである。永野先生がサービス精神を発揮して全国で舞台挨拶とかしてしまうのではないか?
 これだけ公開が延びていて、自分で何とかしようとしている映画である。完成した後に燃え尽きて休みたくならないか?

 私自身は80年代からの永野ファンではないため、ここらの動静が今一つ予想できないが、今まで新作ゲームが発売されたと言っては連載を休んでいたとか様々な武勇伝は耳にしている。
今まで『ファイブスター物語』の連載を読んできた者であれば、その心配はひとしおなのではないか。
 うううう。

 ……とまあここまで書いて、新作の劇場映画に対する期待とかを一切書いていない自分に気付きました(苦笑)。
 いやいや、久しぶりの永野先生の作品だからもちろん期待はしているんです。熊本か福岡に見に行きますよ!
 ただ、それよりも今は無事に公開されるかどうかと言うところや、今後の動向が気になって仕方がない次第でございます。
 先生、頼みますよ……。