プリウスは「良い車」ではないのか

【1.はじめに】
 さて、私はホンダ党である。
 けれど、プリウスが悪い車と言われるとそうとは思えないのだ。
 まずは3ナンバー。最近は5ナンバーとの維持費差はそんなにないと言われている。けれど、3ナンバーのボディに裏打ちされるサイズは自動車重量税に跳ね返るし、1800Cの排気量は自動車税にかかってくるものだ。結論、燃費でEco(logyかnomyはさておき)と言われるが、やはりある程度お金があってのプリウスだ。だからアクアが一番売れる。

 加えて、あの空力に優れたボディ。リアのクーペ風のなだらかなラインは、スピーディなイメージを受ける。二代目プリウスは全体的に丸みが強くて垢抜けないけど、二代目インサイトと三代目プリウス幾何学と流線型をミックスしたデザインは何度見てもいい。ちなみにあのリアのデザインは初代インサイトの方が二代目プリウスに先んじて採用したものだという事は言っておいても罰は当たるまい。

 そしてどうにも解せないのは、こうした見栄っ張りな女性が大好きだろうハリウッドのスターたちだってプリウスを愛用している事だ。ディカプリオとか。


【2.ここではないどこか〜より良きものを求めて】
 もっと良い車って何なのか。

 第一の可能性として、もっと高額な自動車に乗れと言っている可能性がある。
 ただ、大学生にレクサスやベンツ、BMWアウディはや二次元で留めてほしい。自費で車を買える学生はなかなかいない。
 多くの大学生が乗る車は、親の金で買ったか、親の車そのものだろう。ここで文句を言う彼女は、財産目当ての付き合いかと勘繰りたくなるものだ。

 第二の可能性は、良い車のイメージや目標もなく、巷に溢れているからというのがプリウスを忌避する理由かもしれない。
 やっぱりこの『彼女』は、仕事のストレスで禿げたり、デスクワークや飲み会でお腹が出て来たお父さんのパンツと私のパンツを一緒に洗わないでとか言ったりするんじゃないか。
 自分を育てるのにどれだけの苦労やコストが掛かっているのか想像できずに。
 可愛い女の子たちは時として残酷だ。広瀬すずが『どうして生まれてから大人になった時に照明さんになろうと思ったんだろう』と言ったように、自分たちを支えてくれる人たちや、人並みに生きるために皆どれだけ頑張っているのかを知らない。
 ま、この場合は得体のしれない中古セダンをシャコタンしてピカピカのアルミホイール、そして法令違反の鬼キャンを付けた『非凡な』DQNと付き合って満足するんじゃないか。そしてそれから後悔するか、実家にお小遣いを無心し続けるのだろう。
 上昇意欲は大切だが、身に余る自己イメージは身を滅ぼす。足るを知らなければ今のギリシャのような財政破綻が待っているのではないか。

 第三に、『彼女』がネット中毒の可能性がある。Twitterの「今日のプリウス」とか2ちゃんでのプリウス叩きに毒されているのかもしれない。
 IDを見る限りだと、『彼女』の発言がアンチプリウスなだけなので、表題みたいな服や部屋まで示しているのかは今一分からないからだ。

 最後に、あまり考えたくない事だけど、『彼女』はプリウスを生理的にかっこいいと考えていないのではないか。
 今までだってかっこ悪いって話しだけど、そうじゃない。事前情報や文化的な背景のない、メカデザインに対する生理的な印象の話だ。


【3.対決! 大二病とプリウス!!】
 私がプリウスのデザインをかっこよく感じるのは、エアロボディだ。空気の抵抗をスムーズに流す流線型。ほかの乗り物で言うと新幹線が一番デザイン的な思想が近い。ただ、流れに逆らわない受け身なデザインはオタク的に見えるのだろう。
 例えばスバルみたいにボンネットにも吸気口があったり、エスクァイアみたいにもっとグリルが輝く貪欲なデザインとか、ワイルドなSUVに乗る男性を求めているのかもしれない。大二病で恋愛脳の女子は。


【4.ここにあるかなにか〜未来は救われるのか】
 差し当たっては第三のパターンの『彼女』ならまだオタク的だ。プリウスが嫌なだけで、インサイトやグレイスハイブリッドの出番になればホンダ党としては嬉しい。
 ただ、ネット中毒ならばFIT3のリコールとかタカタ問題とか突っ込んできそうではある。
 その場合は新型デミオを推して5ナンバーの維持費と取り回し、そしてSkyActiveエンジンのもたらすロングドライブの燃費の良さで割と幸せな気分になれるだろう。

 それ以外の1、2、4のパターンの彼女の場合は、今後のライフステージ次第かなあ。
 社会人になって経済観念を身に付けるか(それが成長でなくてただの変化のレベルならば付き合う男は苦労する)、それでも親から小遣いをもってセレブ指向を強めるのか。専業主婦の家計費をママ友とのお茶代に沢山費やすか、パート代から家計費を出さないのかもしれない。
 そしていつの間にかプリウスはミニバンに取り替えられているだろう。
 この『彼女』との未来は余り平坦とはいえそうにない。

 プリウスハイブリッドカーデファクトスタンダードとして街の風景に溶け込んだ。
 そのおかげで、様々な人生の縮図が見えてくる。
 差し当たっての人生は、いかに金を稼ぎ、その中で最適解を探る事だと思う。ギリシャの借金問題や、この国の国債や抜本的な対策がない年金問題を見るにつけ、強く思う。
 地球の事を考える自動車は、人間の営みについて教えてくれるものであるなあ。