ポメラ購入す

【1.売り文句〜オフィシャル筋の語るポメラさんのステキさ〜】
 ポメラとはなんぞや。
 携帯型ワープロマシンで、テキストの入力が出来る。
 できる事はそれだけだが、他の余計な機能は一切ないというのが強みなのだ。
 重量は僅かに370グラムで、折りたたんだ時の底面積は文庫本サイズだ。小さいが、キーボードは折りたたみ式のため、PCなどに使われるQwerty方式で、10本の指で割と高速なタイピングが可能だ。
 OSも積んでいないから、起動・終了にかかる時間はそれぞれ2秒!
 中々いい事尽くめなのだが、買うに当たって疑問点があり、そのせいで2ヶ月ほど二の足を踏んだ。


【2.手を繋ぐまでの距離〜周囲の反発、己のためらい〜】
 メーカー希望小売価格は27300円。
 だが、ネット通販やヨドバシに行けば21000円程度というのがこのマシンの相場だ。
 大きさは申し分ないし、タイプしたタッチもなかなかの物だが、100円PCなどの近年流行のミニノートに比べれば割高感はまぬがれない。
 父やマイミクさんに相談すると、ミニノートにしとけと何度も諭される始末。
 まあ、そりゃあそうだ。
 旅先や外出先に持っていくのならば、ポメラよりもイーモバイルのミニノートの方が便利だ。
 小型だけどハードディスク容量が160GBのマシンだってあるから、美少女PCゲームが楽しめる。
 ネットが出来るからスケジュールだって立てやすい。
 だが、通信費はどうする?
 イーモバイルの通信費は月3000〜5000円程度はかかる。
 4〜7ヶ月も使えばポメラの価格を軽くオーバーする。
 通信なしで候補のミニノートを買えば、価格は56000円程度。ネットは出来ないが、美少女PCゲームは出来る。
 美少女PCゲームか、己の妄想か。
 いやいや、ミニノートにはもう一つ問題がある。
 真夏の暑い時期、あのちっこいボディで熱に耐えられるのか?
 エアコンを使わない我が家ではふた夏が限度ではないか?

 今使っているダイナブックは重量が3kgある。
購入の動機は、大型ノートだから、夏の暑さでへばらないし、画面とキーボードは大きく、目と手先の疲労が少ないからだ。
 さて、どうすべえ。

【3.使用感はこんな感じ〜あふれ出す愛しさと終わることのない夢〜】
 悩んだが、結局のところ私は快楽主義者であり、お預けを食っているのは性に合わない。
 ちょいと生活に行き詰まりを感じていたので、自分にブチギレて購入を実施した。
 本体ミニノートのみの半額以下だからライフサイクルコストはかなりいい。
 今にして思えば、DSやPSPだって、新品で買えば20000円くらいするのだ。
 他人の作った夢を持ち歩いて楽しむか、自分の妄想を打鍵するか。
 そんな事は決まりきっているだろう?

 売り文句であるメリットは、まさに使用感そのもので、どれもありがたく感じられた。
 問題となった画面の小ささと打鍵に疲れないかだが、意外な事が判明した。
 バックライトがないから、画面は眩しくないし、文字入力以外の事をしていないから目が疲れない。
 手先も別に四六時中いいアイデアが浮かぶわけでなく、決定的に不便でもない。
 打鍵や文字変換、ショートカットキーなども通常のWindows操作と同様で、特に新しく何かを覚える必要はない。
 ただ、使っているうちに幾つかの欠点が見えてきたのも事実だ。
 文字変換で3点リーダーや墨付きカッコがないのはいささか不便だ。

 システム周りならば、ファイルの更新日時が表示されないから、どの文書に何を書いたか忘れると探るのが困難になる。
 文字変換で登録できるのが100単語までというのは少ない。
 ここらはファームウェアアップグレードや後継機でいずれ改善されていくのだろうか。
 とりあえずアンケートはがきを送って改善を要望したい。

 まあ、しかしネットや美少女PCゲームに妨害されずに文章が書ける、てのは本当にありがたい。
 快楽主義を封じ込め、ストイックに自分の妄想と向き合うことが出来る。
 ネットと切り離され、持ち運びが容易。
 その特徴をメリットと感じられる方には、このポメラをお勧めできる。