11/30(月)【NEWS】北の国から見たバブル

<バブル>「中国は日本と同じ過ち犯そうとしている」―ロシア財務相
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1034642&media_id=31

 個人的には全く経済の事には疎くて、何故バブル経済が発生したのか、何故弾けたのかとかをちゃんと説明する事画はできない。
 だからこの記事に対して論評がちゃんとできる訳ではない。
 ないのだが、中国の経済成長を日本になぞらえるに当たり、戦後の高度経済成長期ではなく、バブルを使ったのが面白いと思ったのだ。

 高度経済成長期の日本は、当時のロシア――ソ連――にとって、大して存在感のない国だった。
 他国からの留学生へ共産主義経済を教えるための大学として設立されたパトリス・ルムンバ名称民族友好大学で日本からの留学生は途上国枠で学費が免除された。
 また、8割以上が中流の社会を実現した日本を見て、ソ連首脳はこう言ったという。
「もっとも理想的な社会主義の国だ」

 翻って、バブル経済の頃の80年代の日本はどうだっただろうか。
 この頃、ソ連は衰退期にあった。
 1964年に書記長に就任したブレジネフによる国内問題の放置により、食料や燃料、生活必需品の配給が滞るようになり、多くの国民が耐乏生活を強いられていた。
 また、1979年にはじまったアフガニスタン侵攻は10年の時間を費やしたが、国際的な非難を浴びてソ連軍は撤退。現地の社会主義政権を守ることは出来なかった。
 ゴルバチョフによる改革路線も経済面では功を奏さず、ソビエト連邦は崩壊した。
 実にこのとき、世界第二位のGNPを誇っていたソ連は日本に抜かれ、世界第三位の座に転落していた。
 その後日本はバブル崩壊後の不況に突入するのだが、しかしソ連崩壊後のロシアに比べれば、経済的にはまだ余力があった。少なくとも、ロシアにニューリッチ層が誕生する4,5年前までは、ロシア人は自国経済と日本経済を比較するとコンプレックスを抱いたのではないだろうか。
 バブル経済、というのは高度経済成長期と違って「はじけた」というところがミソなのだろうけれど、同時に隣国の経済発展を横目で眺めながらも自国が衰退していく様を見せ付けられている、という事もまたロシア人の感情にはあるはずだ。
 クドリン財務相の発言は、リーマンショックのダメージが大きく、再び経済的に伸び悩んでいるロシアと、相変わらず成長を続ける中国という二つの国の経済力の差というバックグラウンドを置いてみると、いずれ中国も日本の様に……とやっかみたい心理が垣間見える。

 中露の経済成長の差は、リスクマネジメントではなく、人為的な経済基盤の差ではないか、と思う。
 中国の経済成長は、技術力の向上であり、市場経済に対する慣れである。
 ロシアの場合は、後者はいえるが、後はエネルギー資源の開発による物であり、前者はあまりないように見受けられる。
 中国に対して市場経済に門戸を開くのがロシアは20年ほど遅れたツケが回っているのではないかと愚考する。
 今後ロシアが資本主義市場で通用する技術を身に付けられるかは、中国の様に劣化コピーでも良いから売れる商品を作り続け、マーケットの要求の読解力とそれに見合った商品開発力を身に付けられるかにかかってくるのではないだろうか。


【以下本文】
2009年11月25日、ロシアの国営通信社・RIAノーボスチによると、ロシアのクドリン副首相兼財務相は、現在の中国経済について「日本が80年代に犯した過ちと似ている」と指摘した。26日付で人民網が伝えた。

それによると、日本は80年代に過度の景気刺激策が取られた結果、バブルが発生し、崩壊後は長期にわたる景気低迷の時代に陥った。クドリン副首相は、「中国は現在、日本が当時犯した過ちを繰り返そうとしている。最終的なリスクを考えていないようだ」と指摘。中国の経済学者も含め多くの経済専門家は「中国は新興市場国」だと認識しており、「不動産や原材料市場がバブルのリスクに直面している」と憂慮していると述べた。

その上で、「ロシアと中国の経済成長を比較するのは間違っている。両国は本質的に異なるからだ」と述べ、「ロシアはリスクマネジメントをきちんと行っている。このような過ちを犯すことはあり得ない」と強調した。(翻訳・編集/NN)