5/19(水)けいおん!! 第七話『お茶会!』見る

【今回のあらすじ】

 朝から誰かに見られているような感覚に付きまとわれる澪。
 実は朝から澪の髪に焼きそばパンのラベルが貼り付いていて、秋山澪ファンクラブの間で注目の的になっていたのだ。

 秋山澪ファンクラブの創始者は卒業した前生徒会長曽我部恵。
 彼女から秋山澪ファンクラブの会長職も引き継いだ和は、会員たちのため、お茶会を企画する――。


【感想・秋山澪

 澪をいじってその可愛らしさをフルに堪能する回。
 冒頭からこわがりっぷりを発揮した上に、原因が自分のドジ振りにあった澪はおいしいですな。
 お茶会自体も、100物語で澪を責め、その後で成長の記録の上映会、と本人にしてみれば気の毒な場面だけど、ファンの娘さんも喜んでいたし、去りゆく高校生活の思い出に掻き立てられた感情から帳消しになってエニシンオッケー、と。
 まあ、最後の集合写真ではまたぐったりした顔を見せていたけれど、そこが良いのです。


【感想・秋山澪ファンクラブ】

 さて、澪可愛いいよ澪だけで終わるのも芸がないので、ややフォーカスを遠ざけるぞ。
 女子校特有の宝塚系美人への憧れこそが秋山澪ファンクラブの感情の源泉なのだろうけど、彼女たちが求めているのは、凛々しく完璧な澪ではない。
 ファンクラブの会員たちは、澪に憧れる一方で、挨拶で噛み、怪談におびえる澪にも嬌声を上げる。
 女子の百合と男子の萌えが同居させた作品世界は優しい。またキャラクターの心情は視聴者に近い。
 こうしたメタフィクション的な感情の共有は、視聴者が作品へ感情移入できる重要な要素だと思う。


マリ姉と二次元】

 思い出されるのは、その昔ラジオ『國府田マリ子のGM』で、リスナーから部員が少なくて寂しい、というお便りを読んだ時のマリ姉のコメントだ。
 私(マリ姉)の高校時代の部活も人が少なかったけれど、究極超人あ〜るが好きで、心の中にいつもそのキャラがいるから寂しくなかった、と。
 私自身は、二次元キャラが現実にいてくれたら、と思わされたのは美少女PCゲームがほぼ初で、それは恋愛感情や性欲に由来するものなのだけど。
 けど、こうした友達が欲しいという思春期においてはもっと切実で身近な願いを実現してくれるのが、こうしたゆる〜い部活を描いた作品のニーズの一つなのだよな、と思わされた。
 かつて野田昌宏大元帥は『スペース・オペラの書き方』でこうのたまった。『オトモダチにしたいようなキャラを考えて作品を書きたまえ』と。
 作中と共有された空間の気持ちよさ、というのはヒット作の持つ要素の一つなのだろうなあ。
 とりあえず私も律のごとく、過去を語るときは善い人であったかのように粉飾して、澪から突っ込まれたいです。ハイ。


【おしまいに】

 あ、最後になりましたが、今回のゲストキャラである曽我部先輩も表の顔と、ただの澪ファンにすぎない真の顔のギャップがなかなか楽しかったです。
 曽我部先輩の元へ届いた届いたお茶会の写メと、彼女へ手紙を書く和で今回は幕だったのだけど、視聴者の過ぎ去りし高校生活へのノスタルジーを掻き立てるのが相変わらずうまいなあ。ちとホロリとした事を告白しておく。