Angel Beats! 第1話 Departure 感想

【はじめに】
 2010年4月スタートのアニメで一番注目していた作品は何か、というとこのAngel Beats! になる。
 私自身が高校3年から大学2年にかけてMOON、ONE、KanonAirといわゆるkey系の作品にどっぷりのめり込んだことは、20代の価値観を決定付けるに足る出来事であった。
 まあ、その後は、ゲームのプレイ時間の長さに音を上げ、離れていたからCLANNADリトバスも未体験なのだけど、取っ付きやすい連続TVアニメ媒体のSolaで一連の作品の良さを再発見し、今に至る、と。
 んなわけで、早くからこの春のスタートが予告されていた作品の中では、本当に放送を楽しみにして待っていたのだ。


【あらすじ】
 記憶を失った少年音無は、夜の学校で目覚める。
 目の前にいる、銃を携えた少女ゆりは音無に告げる。ここは死後の世界で、私たちは消えないために、天使と戦っているのだ、と。
 彼女が構える銃の先には、校庭にたたずむ制服姿の少女の姿があった。
 ゆりの言動を異常だと感じた音無は、天使に話しかけるが、彼女もまた死後の世界だと告げ、信じない音無の胸を剣で貫くのだった。

 保健室で目覚めた音無は、曲折あって校長室にたむろするゆりたち戦線のメンバーと合流する。
 戦線メンバーが言うには、この世界ではルールに従って学園生活を送ると、消えてしまう。彼女たちはルールにあらがい、存在し続けることで、いつかこの世界を自分達のものにするだと言う。
 戦線メンバーには賛同しかねるものの、この世界から消え去った後の自分がどうなるかは不透明だ。
 状況が把握できるまでと、音無は戦線へ参加する事を決める。

 音無を迎えた戦線は、初心者向けの作戦を実行する。
 オペレーション・トルネード。学食に集まったNPC生徒を前に陽動用ガールズバンド『Girls Dead Monster』によるゲリラライブを敢行し、頃合いを見計らって大型扇風機による強風で、NPC生徒たちから食券を巻き上げようという作戦だ。
 ライブが始まったその時、音無の前に天使が現れる。
 天使に銃弾を撃ち込む音無。彼女が血を流すことに罪悪感を感じるが、天使はガードスキル・ディストーションを発動。身体に当たる前に銃弾を逸らしてしまう。
 撤退しながら戦う音無の前に、戦線のメンバーが救援に駆けつける――。


【感想】
 いやいや、始まりました。
 死後の世界と言った独特な舞台設定に由来する一風変わった学園生活、イッパツで名前を覚えるには多すぎるけど個性的な登場人物たち、そしてガールズバンドと戦闘。
 流行の要素をうまく取り入れていて、クライマックスは盛り上がる。映像も綺麗。
 掴みは凄く良好です。

 天使の言いなりになって、この世界のルールに従うと消えてしまうから、何かをする。
 レールに乗った平凡な人生へのあらがいという行動原理、そしてGirls Dead Monsterのライブと、涼宮ハルヒの影響が見て取れるなあ。
 それを論じるのは、今回の趣旨ではないから、あえてすまい。

 批評的な点から気になったのは、それまでのkey系統の作品――ONE、KanonAir――のヒロイン達が普通の日常を送れなかったからこそ、何気ない平凡な日常への賛美を送っていたのに対して、この行動原理は全く逆のベクトルを指向しているのではないか、と言う点。 
 まあ、今までのkey系統の作品も微妙に非日常な学園生活を描いていた。
 ベクトルが変わっても、ファン層は多分変わらないし、受け取る面白さの性質は似たものなのだけど、着地点をどこに設定するのかが気になるのだ。

 え? 天使さんの声って能登麻美子ではなくて花澤香菜? 全く知らない……わしもアニメから離れて久しいからなあ。
 そんなリハビリの意味も込めて本作の感想だけは毎回分書けたらと思う。
 ちゃんちゃん。