5/8(土)けいおん!! 第四話『修学旅行!』見る

【はじめに】

 今期からけいおん!! を見ているわたくし。
 第一期は全く見ていなくて、あれよあれよと言う間にブーム・人気が訪れ、そして今に至る、と。
 さすがに流れに逆らい続けるのもつまらないので、今回はきちんと視聴を始めたぞ。
 一話一話感想を書いていても続かないことは分かっているので、書き上がった物だけを掲載する。


【あらすじ】

 修学旅行に行くことになった桜高校3年生たち。
 軽音部の3年生4人組は、和の配慮もあり、同じ班を組んで京都で2泊3日の自由見学をする。



【感想】

 冒頭から、姉の荷造りをして、唯を起こす憂と、まったりペース振りを発揮する作品世界。
 個人的に一番感情移入したのは苦労人である澪ですな。
 唯、律と二人の天真爛漫さんを抱える軽音班でまとめ役をしなければならない澪は、中学・高校と修学旅行で班長をやった私としては思い出をフラッシュバックさせてくれます。
 まあ、私自身も統率力がない上に、律並みの快楽主義者だったから、自分からぐだぐだにしておりましたが……、そこを含めて楽器屋に貼り付いた律や唯を注意しながら、自分自身も貼り付いた澪は他人とは思えません(苦笑)。
 まあ、そうはいいながら、律の生足は眩しいし、唯のくうねるぶりは和む。
 いい味を出していたのは、紬ですな。
 金閣寺での見事な関西弁の披露――それでも、京都弁ではなく大阪弁だったようなのはご愛嬌――、そしてお抹茶をいただくときの作法の伝授と大和撫子振りをいかんなく発揮。それだけでなくて、枕投げする気満々で、事前に枕の固さを確かめて自ら戦端を切るなど、周到にして遊ぶところがツボです。
 ああ、妹にするなら唯、恋人にするなら澪、友達にするなら律、嫁にするならムギ、そして秘書にするならあずにゃんですね(←ダメ人間)。



【考察:ノスタルジア

 しかしらきすたもそうだけど、この作品もまったりとした日常を描きながら、世界観はサザエさん時空(季節は巡るけれど、登場人物が年を取らない)ではなく、きちんと時間が前に進んでいくんだなあ。
 絵馬に書いた願い、そして2日目の夜の唯のモノローグに高校3年生という時期が反映されていて微妙にしんみりさせられる。
 澪・紬の志望校合格と、唯の『生涯満腹』・律の『武道館進出』の願いは、卒業後に4人が一緒ではいられないかも知れないことが暗示されているし。
 これらの場面は、楽しいモラトリアムにも終わりがある事を明示する作り手の良心だとも言えるけれど、同時に視聴者へ学生生活のプレミアム感を呼び起こさせ、より一層作品に傾倒させる効果を持っているのではないか、と思う。
 それはあざとい、と糾弾したいわけではなくて、ハルヒらきすた、key作品のライン上にある『京アニ』作品として多くの架空の学生生活を消費する視聴者と共犯だとも言える。
 いいか悪いかで言えば、良いと言い張れるわけではないが、しかしおたくとはそういうものなのだ。
 第4話本編で、そうした将来への不安やヴィジョンが登場した時、さわちゃんが場面転換をさせているのは、何やら象徴的だな、と思う。この件については、また別途書くので、これ以上は触れない。

 そんな事を己の高校時代に投影して思いましたです。
 あれから10年以上か。年を取るわけだな。