9/4(土)世界の艦船 10年10月「イージス艦のすべて」読了
最近は数年に一度のペースで行われているイージス艦特集を組んだ一冊。
ただし、今回の特集はタイムリーな内容もあり、他の特集にもない目玉もあり、読んでいて目新しさを感じる。
以下、印象に残ったものを列記する。
岡部いさく氏と「シャイロー」艦長の対談では、ソ連の同時多数のミサイル攻撃がない今、BMD以外にイージスはどのような利点があるのか分かりやすく明らかにしており、冷戦後のイージスの役割について再認識できるだろう。
イージス艦延命工作と今後の海上自衛隊のイージスBMDの計画については、日米イージス艦の未来図が占えて興味深い。
また、ヨーロッパの非イージス防空艦はヨーロッパの最新の防空ミサイル艦についてレーダーのスペックなどが具体的まとめられ、能力が把握しやすかった。
読んでいて感じるは、そこかしこの記事で見え隠れするアメリカ経済の困窮具合だろうか。
今回の特集のきっかけになったイージス艦延命工作は、アメリカに経済的な余力があればしなくてもいいことだったのは特集でも述べられているし、米超党派議員リポート『持続可能なアメリカの国防』はまさに経済的な問題抜きでは語れまい。
後、あまり大きく扱われている記事ではないが、重要文化財「明治丸」保存の危機の記事が批判的過ぎるのが気になる。
保存を怠った大学側の非は責められるべきだが、明治丸の歴史的な意義について触れられていないのでは、分からない人には伝わらない。
明治丸の重要性について記事を組んでもいいのではないかと感じた。