10/2(土)リア充とライトノベル
どうしてもとあるライトノベルが読みたくて、二駅離れた書店へ行きました。
この書店は結構大型で、地下一階から三階までの4フロアあります。目指すアニメ・まんが・ライトノベルが揃ったフロアまで階段を登り、目標の品をロックオン。他店だと品切れでしたが、きちんと売り場に並んでいるのはさすが大型書店です。
一安心したワタクシは、店内を一周したのですが、それが間違いの始まりでした。
この書店でのライトノベルのコーナーは角にありますが、そちらに向かって三人の客が歩いているのです。
くっ、挟撃か。三対一で、二名は160センチ以上の娘さんとは卑怯じゃないか!
両方ともストライクゾーンな上、片方はチャラい彼氏さん付きの制服姿です。ワタクシが三次元空間における勝利者ではない事をひしひしと感じさせられました。
高度な精神攻撃ですが、しかし退く事はできません。
意を決して近付くと、カップルの会話が聞こえてきました。
男「昔は一日一冊本読んでたのになあ」
なぬ? チャラそうな外見の癖に……こいつ、できる!?
女「一日一冊? いつ読んでたの?」
男「授業中。それ以外読む時間ないでしょ? あーあ、学校辞めてからすっかり読まなくなったなあ」
女「……そう」
男「本があったから、辛い学校にも通えたんだよなあ」
……おい。チャラ男。
三次元彼女がいるのに、学校が辛いとはナニゴトだ。
後授業は聞け。本は他の時間でも読めるぞ。
イロイロ言いたいことはある。あるのだが――彼女さんが答えに詰まった一瞬を鑑みるに、このカップル遠からず破局するに違いない。
ワタクシは自分を押し殺すと、カップルの脇をするりと抜けました。ライトノベルコーナーの一番隅にあるフランス書院美少女文庫『お嬢様・錦織由梨菜は保健が苦手!』を一冊手に取り、レジに向かったのでありました。