『あの二人……宇宙人かもしれない』


【あらすじ】
 マキ・プロに見出されたショウとマコトだが、日本の新人が歌う英語の歌というのにレコード会社から難色を示され、この時代では例のない自主制作を行うことになる。
 困難かと思われた楽器の入手も不思議な巡り合わせでクリアし、マコトのアイデアでレコードの収録は乗り切ったが、レイとコンタの穴は埋まらない。このままではライブのやれないバンドのままだ。
 二人の前に暗雲が立ちこめる。

【感想】
 ファブ・フォー、ついに昭和36年でレコードデビュー!

 1巻で二人が持ち込んだのは、ビートルズの曲と歌だけでしたが、2巻ではレコードの自主制作という概念や楽器のこだわりから生まれるスタイルなど昭和36年の日本にはなかった価値観を披露します。
 表題はそんな彼らを言い表した作中の台詞ですが、本当にしっくりきます。
 その一方で、レコードが出来た後も運指の練習をするマコトや、流しの竜憧れの銀座の楽器店を前に冷静でいるショウなどキャラクターの意外な面も掘り下げられているのが印象的でした。
 曲折あって作られたレコードは、この時代の日本人に受け入れられ、新たな出会いと火種をもたらします。今後の展開からますます目が離せません。続巻が楽しみです。