たとえもう一度銃弾にこの身を晒すことになろうとも……必ず銃規制は実行する! これは私の背負った十字架なのだ!!


【あらすじ】
 ノアでは共和党のグラント候補に勝てない。アメリカ南部の食品・畜産産業に影響力を持つドン・テイラーは今回の大統領選挙では業界団体での推薦候補を決めないことにした。だが、それは団体の結束を揺るがす事を意味していた。
 翌日に選挙を控えた夜、テイラーは小飼いの牧童がスターカフェに向かっていることを知り、後をつけてヤマオカと直談判をする。
 ヤマオカの語る理想と使命感にフロンティア・スピリットを刺激されたテイラーは、ヤマオカ支持を決める。日系候補が不利なはずの南部で、ヤマオカはノアを追い抜くのだった。

 不利な展開になったノア陣営は、形勢を逆転すべくヤマオカのスキャンダルを持ち出す。ヤマオカの養女レイチェルは、実母であるマリアにヤマオカが望まぬ妊娠を強いてできた子供のため、1万ドルで引き取ったというのだ。

 ヤマオカ陣営を衝撃が駆け抜け、支持率は急落する。
 鷹志の存在に不安を感じるパトリシアは激高するが、ヤマオカを信じ戦うことを誓うのだった。
 ヤマオカに焚き付けられた鷹志は、レイチェルが家族とともに戦えるように送り出し、マリアのいるマイアミに飛ぶ。
 マリアの言うことが本当ならば、レイチェルは腹違いの妹だ。その時は、二度と彼女の元に戻らない事を誓って――。


【感想】
 単身敵地に飛び込み、相手の部下と対戦し、最後は親玉と一騎打ちをする。
 水戸黄門でのお約束や、ロボットアニメでの敵の指揮官との一騎打ちのような燃える展開です。
 エンターテインメントとしてはお約束ですが、同時に団体の力で票を得るだけではなく、有権者個人個人の意志でも票が取れる事を示した展開とも言えます。

 さて、今巻では今まで対立候補を攻撃し、スキャンダル情報をリークしてきたヤマオカがいよいよ本格的な攻撃に晒される展開になりました。
 ピンチではありますが、動かざる事山の如しというか、ヤマオカは鷹志をマイアミに差し向ける以外は特に反撃に出ていません。
 何だかんだで、鷹志を信頼しながら焚き付けているとも言えそうです。
 最後に、今まで好戦的だったアレックスが少々大人しくなったのが気になりました。