そもそもなんで批判するの?

旧日本兵らの遺骨返還、北朝鮮と非公式に協議 : 北朝鮮 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 旧日本兵らの遺骨返還、北朝鮮と非公式に協議 : 北朝鮮 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 このニュースについているmixi日記をみると、だいたいネガティブな見方が多く、辟易とさせられる。

 曰く、拉致の被害者は墓が洪水で流されたと聞いている。もっと古い旧日本兵の遺骨なんてどうだかわからない。
 曰く、拉致の方を優先すべきなのに、遺骨などにかまけている暇があるか、と。

 一応少し考えればわかる話で、拉致被害者については、北朝鮮が加害者になった事件だし、拉致被害者がスパイ関係で重要な任務に従事させられているのならば、所在をあいまいにしたがるはずだ。
 一方、旧日本軍の捕虜は北朝鮮が被害者になった記憶であり、こちらについては何も包み隠す必要はないだろうし、ソ連の援助を受けられていた時期のお話だから、むしろ記録はしっかりしているのではないだろうか。

 んで、拉致被害者を優先すべきで、遺骨などは、という意見にはこういいたい。
 それは、東日本大震災の被災地復興で、放射能汚染を受けた原発周辺のホットスポットの除染を最優先にして、それ以外の津波の被災地は放っておけとか、或いは東日本大震災の被災地のみ復興させて深層崩壊を起こした紀伊半島の復興は放置しろと言っているようなものだ。

 拉致も相当時間がたっているが、旧日本兵の遺族だってそうだ。
 当事者の血脈は続いているかもしれないが、しかし顔を見知った肉親は年を追うごとにますます亡くなっていく。
 緊急性だって勝るとも劣らない。

 拉致と遺骨は本来、並行して行うべき性質のものだ。
 それが遺骨だけになっている事に対して非難をしたいことは分かるが、金正日総書記だって亡くなっているんだから、微妙な問題をはらんだ拉致被害者の件を体制の移行期に話したって目立った結果を上げることだってできないだろう。
 個人的には、この微妙な時期においても北朝鮮と交渉を持ち続けている事は、現政権の行動としては評価してもいいのではないかと私は思う次第である。