たまにはクモ退治
自宅で映画の『隠し剣 鬼の爪』を見ていると、会社の後輩女子から電話がかかってきました。
女『たぬきさん、今何していますか?』
狸「家で映画みてますよ〜」
女『た、助けてください。家にクモが現れて。どんな薬を買えばいいか……』
狸「いやいや、あいつらゴキブリとか食べてくれますよ」
女『ええ〜、でも』
狸「わかった、行く!」
どうもこの決断、犯罪ちっくなのですが、後輩女子は比較的近所の人ですし、殺虫剤の相談ならば薬局でもできそうなものです。
ソリューションにミスがないことを祈りながら、リュックに古新聞と広告紙、ティッシュペーパーを詰めて自転車にライドオンしました。
行ってさっそく案内されると、後輩女子ともう一人見知らぬ女性が。どうやら彼女の旧友が大分から泊まりに来たけれど、思わぬ大グモ発生に思い余って連絡したようです。
ベッドの下にいるというので、衣装ケースを取り出して首を突っ込んで探してみました。
いません。
ベッドわきにあるクローゼットにマットレスが寄りかかっていたので、どけて確認してみした。
……ぶったまげました。
出てきたクモさんはマジでタダモノではありません。
肢は長くて、専有面積としては成人男子の掌くらいありそう。しかもわしゃわしゃと毛が生えているではありませんか。
外国産か!?
毒がありそうな気がしましたが、色合いは茶系統で地味ですし、大型のクモは毒には頼らず自力でハンティングをする事が多いと聞きます。
見た目も壁にべたっと貼り付いていて攻撃の意思は感じられません。
殺さずに捕縛して大人しく外に出したい物です。
……が、奴は素早かった。
節足動物は滑るように移動するのです。クローゼットの扉からベッドに移動したので布団の中やベッドと壁の間を探すもいやしない。
壁際を這って天井へと向かっていたのです。
一度は広告紙で押さえつけたのですが、隙間を縫って素早く脱出してまたベッドの陰に。
何とか追い上げてベッドより上の壁に出したので、私は一計を案じました。
クモの上に新聞紙でひさしを作り、その下から広告紙で捕まえたのです。
下の暗いところに逃げようとする習性を利用したのでした。
捕まったクモは特に暴れたり、噛みつくこともなかったので、そのまま開けていてもらったベランダから外へとおいとまいただきました。
大体5分くらいの捕り物です。
そのままジュースをごちそうになり、しばし歓談。
チョコやスナックまでお土産にもらいました。
久々に童心に帰って 虫捕りをした上、少しおいしい思いができました。
不思議だったのは、あのクモが国産だったかどうかです。いくら宮崎が温暖とはいえ、すごいデザインだったからなあ。
少し離れているけれど、宮崎港や空港から来たのか、どこかのペットだったんだろうかな。