タバコとポロニウム

 昨日、インフルエンザの予防接種のためにクリニックを訪れました。
 そこには、タバコの煙には放射性物質ポロニウムが含まれているというポスターをみかけました。

 私自身はどうも勉強不足で、タバコに含まれるポロニウムが何に由来するのか知らないし、例えばラジウム温泉で被曝のリスクがどれだけあるのかとかは全く分からないものですが、おもしろいポスターだと感じました。
 それはポロニウムという新たなリスクを宣伝したところで、喫煙者がタバコを吸うのをやめるのかな、ということです。

 ポロニウムの健康リスク自体は、発ガン性がメインでしょう。基本的には今までのものと変わりがありません。
 それに、タバコに健康リスクがあることは以前から知られていた事です。それでも喫煙者はストレス解消のため、喫煙室での人間関係のため、会話の間を持たせるため、あるいは単なるスタイルのためタバコを吸い続けます。
 現在、或いは想像力の及ぶ近い将来のために遠い将来のリスクを無視するという行為は、原子力に対する態度と似ていると思えませんか。
 統計を取ったわけではありませんが、喫煙者は非喫煙者よりも原子力賛成派が多いのではないでしょうか。

 科学的にはおそらく新しく立証された事実ではあるでしょうが、さし当たって非喫煙者にしか訴える力がないのではないのかな、と思いました。