11月24日週のマッサン
【1.うろおぼえなあらすじ】
ついにエリーのアドバイスで鴨居商店への就職を決意したマッサン。
早速鴨居商店に乗り込むも、鴨居の大将の新商品ウヰッキーがウヰスキーを炭酸割りにした飲料である事に激怒して、退出してしまう。
鴨居の大将は引き続きウヰスキーを作るべくスコットランド人のミスター・アンドリューにエリーを通訳に、日本に招待できるスコットランド人の技術者がいないか確認をする。だが、日本とスコットランドの風土の違い、そして日本の遅れた文化ではウヰスキーを作る事が出来ないというのだ。退出を促されたアンドリューはスコットランドで熱心にウヰスキーについて研究していた日本人について告げ、彼が作れていないのならば日本人には作れないと言い放つのだった。
帰宅したエリーはマッサンへ鴨居の大将の熱い思いを伝え、二人の仲を取り持つために、マッサンの実家で稼いだお給金をはたいて宴席を用意する。
宴席で意気投合する二人だが、マッサンの用意したスコットランドのウヰスキーの原酒の味の解釈を巡って席は決裂する。
エリーがマッサンを問い詰めていると、大家から意外な申し出があった。
破格の給料で教員をしないかと言うのだ。生活のために受けようとするマッサンの元に、鴨居の大将が現れる。別の商談でマッサンを評価された彼は、やはりマッサンを雇う気になっていたのだ。マッサンを秘密基地に案内した鴨居の大将は、自らのウヰスキーへの思いをマッサンに語り、ついに二人は手を結ぶのだった。
マッサンとエリーは再就職を広島の実家に知らせ、新しいスタートのために大阪へと舞い戻るのだった。
【2.感想】
再就職エピソード、引っ張り過ぎ!!
マッサンはまともな仕事に就かず、新しい出発地点が鴨居商店と見えているのにツンデレというか、男でこれをやられると面倒くさいですな。
ここまでエリーの成長をメインで描いていたと本編で語られるわけだけど、うん、確かに様々な苦労があり以前はマッサンとケンカになると家を飛び出したり、お互いにコミュニケーションを拒んでいたりしたけれど、きちんと話し合っていて、二人の夫婦の仲も進展している。
ただなあ、どうもマッサンはただのウヰスキー原理主義者の馬鹿にしか見えないんだよなあ。
仕事は一人でするものでなし、会社の製品やサービスで気に入らない物がある事だってあるだろう。顧客から理不尽な要求を受けることだってあるだろう。
マッサンが継ぐ事を否定してきた実家の造り酒屋にも彼のルーツがある事を確認できた先週の後で、しかも社会人経験をした後でスコットランドで辛い修行をした後のはずなのに、些細な事で再就職を蹴ってきた態度は人間が描けてないというか、まんがあアニメだったらキャラがぶれていると言われても仕方のない造形ではある。
しかも、今週マッサンの再就職でやって来た事って、鴨居の大将を逆に面接してボスとして仰ぐのにふさわしいかどうか見定めていたって事だもんね!
でも、それがいい。社会人とはこうあるべき、みたいな説教は現実と自己啓発書で十分だ。
我々は、転職や再就職の時、我々は応募先の企業を吟味して履歴書を出し、面接官の態度や質問から、行きたい会社かどうか見定める。
本作が親しみのある娯楽作品として許容するリアリズムが、ドラマチックな心象風景の具現化だとすれば、間違ってはいまい。
とりあえず、エリーがマッサンの前で大将とハグをせず、マッサンと大将とのハグで幕を閉じた金曜日の放送はなかなか良かった。
ところで、個人的に不思議なのは太陽ワインのポスターでの本編の扱いなんだよなあ。
ふつうエロい広告で男がヒャッハーして女が後ろ指さすかと思ったら、逆の描写だし、かといってエロいとかいうと健康美だというし、わけが分からんとです。
本編の男性全員が鴨居の大将のやり方を理解出来たら唯一無二のイノベーターとしての存在感がなくなるからなのか、あれが世間での普通なのか。わしにはようわからんです。
最後に、ミスター・アンドリューの余裕を持った断り方と挑発の仕方、あの場面結構好きです。鴨居の大将の啖呵もかっこいいけど、最近アニメで余裕を持ってて狂ってもいない強力な悪役ってあんま観ていなかったので、スゲー気に入りました。
まあ、再登場するときには鼻を明かされていそうだけど。