坂本龍馬雑考

 少し前の放送になりますが、歴史秘話ヒストリア坂本龍馬の手紙の回がHDDにたまっていたので視聴してみました。
 坂本龍馬というと、知名度が高い半面、薩長同盟を斡旋した以外どうも大きな政治的なアクションはないような印象があるのですが、人気は高いものです。

 番組では、今年発見された直筆の手紙の筆跡や内容からその快男児ぶり、そして細やかな性格などを浮き彫りにしていました。
 政治的なヴィジョン、そして武道にも秀でた維新の志士は人気が高いものですが、坂本龍馬に関していえば、汚れ仕事をしていないからこそではないでしょうか。

 江戸城無血開城の後の維新の立役者は、戊辰戦争で東北に恨まれ、またある者は政治闘争に敗れ不平士族の反乱を指揮します。
 西南戦争の後に大久保利通は暗殺されますし、伊藤博文もハルピンの駅で朝鮮併合の恨みを買い、暗殺されました。

 龍馬は明治維新の光の面を背負い、負の部分を背負わずに幕末を駆け抜けていったからこそ、政治の左右を問わず多くの人の人気を今でも得続けているのではないかとふと思った次第です。